頭痛

頭痛の緩和には、ツボの刺激が有効とされています。
とくに首や手の特定のポイントを指でゆっくり押すと、症状が軽くなるケースがあります。
代表的なツボには、次のようなものがあります。

・風池（ふうち）：後頭部のくぼみ
・天柱（てんちゅう）：首の左右の筋肉の外側
・百会（ひゃくえ）：頭頂部の中央

10〜15秒ほどかけて、痛気持ちいい程度の強さで刺激するのが基本です。

ズキズキと脈打つような痛み（片頭痛）には、静かな環境での安静が効果的です。
とくに光や音に敏感になっているときは、暗く静かな部屋で休んでください。
目を閉じて、横になっていると痛みがやわらぐ場合があります。
また、濡れタオルや冷却シートで、痛みのある箇所を冷やしてみましょう。
冷やすことで神経の興奮が落ち着き、痛みが軽減しやすくなります。

頭が締め付けられるように痛む頭痛（緊張型頭痛）は、温めることがおすすめです。
首や肩まわりを温めると筋肉がゆるみ、血流が促されることで痛みが軽減されやすくなります。
「蒸しタオルを首の後ろに当てる」といった局所の温熱に加え、「湯船にゆっくり浸かる」など身体全体を温める方法も有効です。
さらに、温めた状態で軽いストレッチを行うとより頭痛の改善に効果的です。
首をゆっくり横に倒すことで首や肩まわりの筋肉が伸ばされ、緊張がほぐれていきます。

頭痛は症状によりさまざまな種類がありますが、日本人の約40%は「慢性頭痛」を持っています。
当院はその中でも緊張性頭痛、片頭痛、群発性頭痛の方が多くご来院されます。
原因はストレスや天気、気圧の変化、ホルモンバランス、自律神経の乱れなどが考えられます。

これらの症状に対し当院ではおもに2通りのアプローチをしてします。

ヘッドスパ（THS）で頭部の歪んでしまった頭蓋骨を整え、脳脊髄液の循環を良くしていきます。
また内臓機能も自律神経に大きく関わっているため、腸もみでお腹まわりへのアプローチもさせていただくことがあります。

頭痛の原因の多くは首のゆがみや筋肉の硬さにある為、骨盤から腰、背中、首の背骨に対して施術を行います。
自律神経は背骨に沿って走っています。
ですので、ゆがみや硬さを取ることで神経の流れも改善が期待できます。

頭の片側（こめかみ付近）がズキズキ脈打つように痛むのが、片頭痛の特徴です。
痛みの強さは中等度〜重度で、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
片頭痛は、若年層の女性に起こりやすい傾向があります。
そのほか、次のような症状があれば片頭痛の可能性があります。

・動くと痛みが悪化する
・吐き気や嘔吐をともなうことがある
・光や音、においなどの刺激に敏感になる
・発症前にチカチカした光が見えることがある（閃輝暗点）

また、痛みの持続時間は4〜72時間が目安とされています。

頭全体が締め付けられるように痛むのが、緊張型頭痛の特徴です。
慢性頭痛の中でもっとも頻度が高く、とくに働き盛りの年代での発症が多いとされています。
痛みは数時間から長ければ数日間だらだらと続く場合もあります。
そのほか、緊張型頭痛には次のような症状例が挙げられます。

・頭の両側や後頭部に痛みが出やすい
・肩や首のこりをともなうことが多い
・鈍く重たいような痛みが広がる
・軽いめまいをともなうことがある

なお緊張型頭痛では、片頭痛のような脈打つような痛みがあったり、身体を動かした際に痛みが悪化したりすることは基本ありません。

目の奥をえぐられるような激しい痛みが群発頭痛の特徴で、若い男性に発症が多くなっています。
1年のうち決まった期間に集中して発作が起きることが多く「群発期」と呼ばれます。
1回の発作は15分〜3時間ほど続き、毎日ほぼ同じ時間帯に発症する傾向があります。
また、次のような症状がみられる場合は、群発頭痛の可能性があります。

・片側の目の奥に耐えがたい強い痛みがある
・痛みのある側の目が充血し、涙が出る
・鼻水や鼻づまりをともなうことがある
・痛みの間はじっとしていられないほどつらい
・季節の変わり目などに集中して起こる

痛みの程度は非常に強く、自身での対処はむずかしくなっています。
そのため、群発頭痛が疑われる際は早めに医療機関に行き、適切な対処を受けてください。

頭痛のおもな原因としては、首や肩まわりの筋緊張が考えられています。
硬くなった筋肉で周辺の血管が圧迫されてしまいます。
すると頭部への血流が滞り、痛みや重だるさに繋がってしまうのです。
長時間のデスクワークやスマホ操作に加え、姿勢の崩れがあわさると首まわりの緊張が強まりやすくなります。

片頭痛の原因には、脳の血管の拡張が考えられています。
血管の広がりによって周囲の神経が刺激され、ズキズキと脈打つような痛みが生じるとされています。
拡張の背景には、ストレスの反動やホルモンバランスの変化、アルコール摂取、急激な温度差などが関係している場合があります。

自律神経のバランスが崩れると、血管が必要以上に広がったり縮んだりして、痛みを引き起こしやすい状態になってしまいます。
また、交感神経が優位に働く状態では筋肉が緊張しやすくなり、頭部への血流が滞ることで頭痛が起こりやすくなります。
精神的なストレスや気温・気圧の変動などが自律神経に影響を与えるおもな要因に挙げられます。

普段何気なく食べているものや習慣の中にも、頭痛を引き起こす原因が潜んでいます。
チョコレート、赤ワイン、アルコールなどの摂取は、体質によって脳内の神経が過敏に反応し、痛みを引き起こすきっかけになる場合があります。
また、睡眠時間がばらついたり、夜型の生活が続いたりすると体内時計が乱れてしまいます。
それにより脳の興奮や抑制のバランスを崩し、頭痛を招きやすくなると言われています。

頭痛の中には、脳腫瘍や脳梗塞など重篤な病気が隠れているケースがあります。
とくに、いつもと違う痛み方が続くときや、急に症状が強まるときは要注意です。
原因不明の頭痛が続く場合は、早めに医療機関で検査を受けてください。

何度も頭痛を繰り返すと、「脳が痛みを記憶する」と言われています。
記憶された痛みの経路が過敏になり、わずかな刺激でも頭痛が起こりやすくなります。
この状態が続くと慢性化し、痛みが長引く傾向があります。
頭痛を一時的な不調と捉えず、早めに対処する意識が重要です。

座ったままの状態が続くと肩や首の筋肉が緊張し、血流が滞りやすくなります。
筋肉のこわばりを防ぐためにも、1時間に一度は立ち上がって軽く動かすのがおすすめです。
筋肉を動かすことで血流が保たれ、緊張が緩和されやすくなります。
簡単なストレッチでも十分ですので、時間を決めて身体を動かす習慣をつくりましょう。

寝不足や寝すぎを繰り返すと体内時計が乱れ、頭痛の起こりやすい状態が続いてしまいます。
毎日同じ時間に起きて寝ることで、なるべく規則正しい生活を送るようにしましょう。
生活リズムが整うと、日中の緊張と夜間の休息がスムーズに切り替わり、自律神経のバランスが安定することも期待できます。
起床・就寝のタイミングに加えて、食事や入浴の時間も一定にしておくと、生活全体のリズムが保ちやすくなります。

軽い運動をする、趣味を楽しむ、ゆっくり入浴するなどして、ストレスをこまめに発散しましょう。
ストレスを軽減することで自律神経のバランスが整い、頭痛の原因となる筋肉の緊張や血管の拡張が緩和しやすくなります。
また、ストレスを感じやすいという方におすすめな改善方法は深呼吸です。
目を閉じて、お腹の膨らみとへこみを感じつつゆっくり深い呼吸を行うことで、気持ちが落ち着きやすくなります。
短い時間でも効果は期待できるため、ぜひ合間時間に取り入れてみてください。