ストレートネック

首や肩まわりの筋肉がこわばっていると、ストレートネックが悪化しやすくなります。
お風呂で湯船に浸かったり、蒸しタオルを当てたりして温め、血行を促すことで緊張をゆるめていきましょう。
また首の近くにカイロを貼る、ネックウォーマーを使うなど、日常でも冷やさない工夫を取り入れてみてください。

首の骨を元の位置に戻すには、ストレッチで筋肉の緊張を緩めることが効果的です。
たとえば、次のようなストレッチの方法があります。

・右手で左の鎖骨を軽く押さえます
・頭を右後方に倒して、首の前側を伸ばします
・反対側も同じ要領で行います

そのほかに、両腕を後ろに引いて胸を開くストレッチもストレートネックの改善に有効です。
息を吐きながら、ゆっくり筋肉を伸ばしていきましょう。

首の負担を軽減するには、寝具の見直しも大切です。
枕は首のカーブに合った高さと硬さを選ぶことで、睡眠中の姿勢が安定しやすくなります。
仰向けで寝たときに首の後ろにすき間ができすぎていないか、朝起きたときに首や肩がこっていないかを確認してみましょう。
違和感がある場合は、タオルで調整するなど工夫してみましょう。

スマホやパソコンの普及が進み、うつむいた状態で生活を過ごしストレートネックになる方が年々増加してきています。
身体で一番重い場所は頭です。
うつむいた状態が続くと首の湾曲がなくなり、頭を支えるため首や肩の筋肉が緊張し骨の位置が悪くなり、肩こりや首、肩の痛み、頭痛、手のしびれが引きおこることがあります。
ストレートネックは首だけの問題ではなく、背骨や骨盤の歪み、首以外の筋肉に問題があることが多いです。
施術法としては、当院オリジナルの骨格の矯正を行うS字整体や猫背整体です。
筋肉の緊張を緩和する筋膜ストレッチ(リリース）などがあります。
当院では、しっかりと問診と身体の状態を確認したうえで適切な施術を行い、患者様の不安や悩みを一早く解決していきます。

ストレートネックの代表的な症状には、首こりや肩こりが挙げられます。
本来の頚椎は前側に軽く湾曲することで、頭の重みをうまく骨格で支えています。
しかし、ストレートネックはその湾曲がなくなっているため、骨格ではなく周辺の筋肉で頭の位置を支える必要があります。
それにより、首や肩まわりの筋肉に負担が集中し、疲労が蓄積することで痛みやこりが引きおこってしまいます。

硬くなった筋肉で首まわりの神経や血管が圧迫され、頭痛の引き金となる場合があります。
筋肉の緊張から起こる頭痛は「緊張型頭痛」と呼ばれ、頭全体を締め付けるような痛みが特徴です。
また、首の緊張から、めまいや吐き気が起こる方もいらっしゃいます。
血流の滞りで脳への酸素が不足しやすくなったり、自律神経が刺激されて消化機能に影響が出たりすることが関係していると考えられます。

首の前側、鎖骨周辺には腕神経叢（わんしんけいそう）と呼ばれる神経の束が走行しています。
ストレートネックの影響で首の緊張が強まり、それらの神経が圧迫されると腕や手のしびれを引き起こす場合があります。
また、神経は運動にも関与しているため、圧迫によってしびれの感覚とともに手に力が入りにくくなるケースもみられます。
ストレートネックは首の症状だけではなく、自律神経やしびれなど、全身にも影響が及ぶことがあります。

パソコンやスマホでは、画面をみようと前のめりの姿勢をとることが多いです。
肩よりも頭が前に出た状態になることで、首の湾曲が消失してしまいます。
さらに、休憩をとらず同じ姿勢を続けるほど首まわりの緊張が強まり、ストレートネックの状態で骨格が固定されやすくなります。
デスクワークはもちろんのこと、最近ではスマホの使用でストレートネックが増えている傾向があります。
そのため、ストレートネックのことを「スマホ首」と呼ぶ場合もあります。

加齢により椎間板の水分が減ると、弾力が失われていきます。
その結果、骨同士の間隔が狭まり、関節の動きに制限がかかりやすくなります。
首を曲げたり反らせたりする動作がしづらくなることで、頚椎の自然なカーブが保ちにくくなり、首がまっすぐな状態へと近づいていきます。
さらに、加齢とともに姿勢を支える筋力が衰えると、頭の位置が前にずれて不良姿勢の原因になります。
最近ではパソコンやスマホの影響で若い方にも増えていますが、もともとストレートネックは中高年に多くみられる傾向がありました。

睡眠中の姿勢が崩れていると、気づかぬうちに首に負担をかけてしまいます。
とくに、高すぎる枕ではあごが持ち上がった状態になり、首が前に押し出されることで頚椎のカーブが消失しやすくなります。
また、うつ伏せや首をひねったまま眠る姿勢では頚椎にねじれが生じ、まっすぐな状態に固定される原因になりえます。

作業環境が姿勢の崩れを助長し、ストレートネックの要因となる場合があります。
長時間のデスクワークでは、モニターの高さや椅子の位置が適切でないと、顔が前に突き出た姿勢が習慣化しやすくなります。
とくに、目線より低い位置に画面があると、無意識に首を下げたまま作業を続けてしまいます。
また、背もたれのない椅子や高さの合わない机を使うことで猫背の姿勢になり、頚椎の自然なカーブが失われやすくなります。

精神的な緊張が続くと、無意識に首や肩に力が入り、姿勢が崩れやすくなります。
とくにストレス状態では、歯を食いしばったり肩をすくめたりするなどのくせが現れやすく、首まわりの筋肉が硬直します。
その後、関節の動きが制限されて首の自然な湾曲が保ちにくくなり、ストレートネックを引き起こしてしまうことがあります。

頚椎がまっすぐな状態では、椎間板にかかる圧力をうまく分散できず、一部に負担が集中しやすくなります。
とくに、長期間にわたって首のゆがみが続くと椎間板の変性が進み、亀裂や突出が生じてしまう場合があります。
その結果、椎間板が神経を圧迫して頚椎椎間板ヘルニアに発展する可能性もあるため、早めの対処が重要です。

首の自然なカーブが失われた状態が続くと、頚椎まわりの筋肉が硬くこわばり、柔軟性が低下していきます。
とくに後ろを振り向いたり上を見上げたりといった動きがしづらくなり、可動域の制限を感じやすくなります。
さらに、首をあまり動かさなくなることで筋肉の緊張が進み、動作の制限がいっそう強まるという悪循環に陥る可能性があります。

ストレートネックでは首や肩の筋肉が緊張しやすく、こりやだるさを感じやすくなります。
その結果、作業への集中が続かず、仕事や勉強のパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があります。
また、筋緊張が強くなると脳への血流が滞り「頭がぼんやりとする」「疲労感が抜けにくくなる」といった不調も現れやすくなります。

ストレートネックの予防には、日常生活での姿勢を修正することが大切です。
とくにデスクワークにおいては、次の点を意識してみてください。

・背もたれに寄りかからず、骨盤を立てる
・顎を軽く引いて、背中をまっすぐ伸ばす

頭のてっぺんが天井から引っ張られているようなイメージを持つと、力まず正しい姿勢をキープしやすくなります。
また、パソコンの画面と目線の高さを合わせるなど、生活環境にも目を向けることで、ストレートネックの予防につながります。

無意識にスマホに手を伸ばし、長時間眺めてしまう場面は少なくありません。
ストレートネックを予防するには、スマホの使用頻度を見直すことも対策の一つです。
タイマーや制限アプリを活用して、時間に区切りをつけてみましょう。

長時間の同じ姿勢は筋肉をこわばらせ、頚椎のカーブも消失しやすくなります。
そのため、デスクワークや家事の合間に「首をゆっくり回す」「肩を上下に動かす」といった簡単な動作を取り入れ緊張をほぐしてみましょう。
大きく深呼吸をしながら動かすことで、筋肉の緊張をほぐしやすくなります。
1時間に1回ほど、意識的に身体を動かす時間をとってみてください。
そうした習慣が首への負担を大きく減らし、ストレートネックの予防が期待できます。