外反母趾

外反母趾が気になる方は、普段履いている靴にインソールを入れてみましょう。
アーチ（土踏まず）を持ち上げることで足全体の骨格が安定し、外反母趾の改善や進行防止が期待できます。
外反母趾や扁平足専用のインソールは市販もあります。
サイズなど自分にあったものを選んで、使用してみてください。
また、足の形は個人差があるため、不安な方は接骨院・整骨院など専門家に相談がおすすめです。

外反母趾には、指と指の間を広げるようなストレッチが有効です。
たとえば、次のようなストレッチ方法があります。

・椅子に座り、右膝の上に左足を乗せます
・左手で乗せた側の足を把持して固定します
・右手で足の親指をつかみ、広げるようにストレッチします

痛気持ち良い強さで、30秒ほどかけてじっくり伸ばすのがポイントです。
左足が終わったら、右足も同様に行いましょう。

テーピングを使って、親指が小指側に曲がらないように引っ張る方法もあります。
指用のキネシオテープをご用意ください。

・親指の先から、かかとまでの長さにテープを切ります
・親指の内側にテープの端を貼ります
・指の付け根まで軽く引っ張り貼ります
・残りの箇所は、土踏まずの横からかかとに向けて流して貼ります

テーピングはシャワー後に乾かすようにすると、長持ちします。
しかし、かゆみや違和感がある場合は我慢せずはがしましょう。

外反母趾の原因は大きく分けて二つあると考えます。
一つは、脚の柔軟性や筋力の衰えによるものです。
これは扁平足やヒールの履き過ぎなども大きく影響します。
二つ目が、インナーユニット（体幹の筋肉）が使えていないために身体の重心がズレて、足に必要以上に負荷がかかることで発生している場合があります。
当院では、外反母趾の原因を見つけるために、ハイボルト療法などを用いて検査を行います。
足の柔軟性が落ちていたり筋力が弱っている場合は、ＣＣＤ（セルライトカッピングドレナージュ）や筋膜ストレッチ（リリース）、テーピングなどで改善を目指します。
インナーユニットが原因の場合はトレーニング指導を行います。

母趾（足の親指）の付け根が内側に突き出し、指先が小指側へ曲がっていく変形が「外反母趾」です。
足の骨格バランスが崩れ、関節の角度にズレが生じた状態です。
医学的には「HV角」という指標で、外反母趾の重症度を判断します。
なおHV角とは、足の甲あたりにある中足骨と、親指の付け根より先にある基節骨がつくる角度のことです。
HV角が20度を超えると外反母趾と判断され、40度を超えると重度に分類されます。
ご自宅でも足の形に沿って線を引くことで、おおまかな変形の有無を確認できます。

先天的に足の親指が長い方や指のつけ根の関節がやわらかい方は、外反母趾になりやすいといわれています。
とくに「エジプト型」と呼ばれる足の形は、親指に圧力が集中しやすいことが知られています。
また、足の構造や関節のゆるさは遺伝しやすく、家族に外反母趾の方がいる場合は外反母趾のリスクが高まります。

外反母趾を放置すると親指の変形が悪化し、くの字に大きく曲がっていきます。
とくに付け根部分が内側へ大きく突出し、関節全体の位置関係が崩れていくことが特徴です。
進行するほど骨格のずれは戻りにくくなり、元の形を維持することがむずかしくなっていきます。

足裏の筋肉が硬くなるとアーチ構造（土踏まず）が崩れて、親指の付け根に余計な負担が加わる場合があります。
そのため足裏をほぐして柔軟性を維持することが、外反母趾の予防に効果的です。
手軽に行えるマッサージ方法は、次の通りです。

・ゴルフボールなどボール状のものを床に置きます
・ボールを踏んで軽く体重をかけながら、足裏全体をゆっくりほぐしていきます。

左右の足でそれぞれ1分ずつを目安に行いましょう。

親指の変形を防ぐには、足指を締め付けない靴を選ぶことが重要です。
理想のサイズはつま先が広めで、地面をしっかりと踏みしめられる形状の靴が適しています。
可能であれば、かかとが固定されて足裏全体でしっかり立てるスニーカーやローヒールを選びましょう。
購入前には必ず試し履きを行い、足の横幅や甲の高さにも無理がないかを確認することがおすすめです。